[axis]⑦登坂広臣 (ページ8)

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広臣side ページ8

※

咄嗟の判断で鳴らした警報。

どう転ぶかわからない賭けだったけど、読み通り今外からはここのロックは解除できないらしい。

何者かが侵入しているという無線についで

警報まで鳴って、外が騒がしくなっているのが聞こえた。

「やっぱ進入されてんじゃん」

大輔さんの勝ち誇ったような声と"役員会で報告する"という小さな脅し。

形勢逆転した扉の向こう側の立ち位置に少しだけホッとした。

このまま大輔さんの挑発に向こうが乗ってくれれば･･･。

願う俺に届く言葉は。

「今回は厳重注意ということにしておきます！

　状況確認に急ぐぞ！」

そう言った誰かの言葉を先頭に複数の足音が遠ざかっていくのを聞いて

そして建物の中にいただろう警備員の足音がこちらに向かってくる音もする。

「臣！！」

扉の向こうでAの声。

すげぇ焦ってて･･･たぶん泣いてる。

「馬鹿！さっさと逃げろ！

　もし俺が捕まってもお前が告発するまでは完全黙秘してっから、安心しとけ！」

そう叫んで。

近づいてくる足音から逃げるように、さっき走った階段にもう一度足を向けた。

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