[axis]⑦登坂広臣 (ページ48)

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広臣side ページ48

※

「大輔さんはさ、あれでしょ？頭が悪いじゃん。

　僕はほら、頭がいいって皆がわかってる。僕の方がいいと思うんだよね」

"同じ潰すっていう事でも、運営に失敗して潰れるっていうより

　内側からジワジワ侵食して、誰も気づかないように毒を振りまいて…気づいた時には毒が侵食してもう手遅れっていう潰し方の方が、綺麗じゃない？"

「綺麗じゃない」

武のうっとりとした表情を一瞬にして怒りに変えたのは、俺の短い一言で。

口を挟まないでいようと思っていた傍から、俺が我慢できなくて2人の間に割って入っていた。

「なんの美学かしんねーけど、そんなもん綺麗でもなんでもねーじゃん。

　ただの自己満足。それに」

「それになんだよ」

俺に向けてはっきりとわかる敵意を向けてくる武の目をまっすぐに見た。

射貫くように強い力で見つめると、動物の本能なのか俺の方が強いと感じ取った武の体が俺から視線を外していく。

「大輔さん…あの人はたぶん、演じてる。

　きっと誰よりも頭がキレて、誰よりもお前ら2人の事を考えて動いてる」

そう言った俺の言葉に、驚くように顔を上げたAが俺を見た。

そんなはずないってその表情に、俺は視線を外した武を見つめたまま言葉だけをAに向けた。

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