[axis]⑦登坂広臣 (ページ37)

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広臣side ページ37

※

色々考えて

体の熱にももどかしさを覚えるけれど、眠気には勝てない。

しかも腕のん中にはすっかり気持ちよさそうに寝ているAがいるから

その少し高い体温に余計夢の中に誘われる。

「…おやすみ」

そう言って俺もあっという間に夢の中に引き込まれる。

疲れていて深く眠りについたはずなのに、一瞬だけ夢を見た。

どんな夢だったか起きたらすぐに忘れていたけどAもいた…はずで…

野村さんもいたような気がする。

でもなんか

すげぇ楽しかった。

それってこれからやってくる未来なのか

俺が求めている願望の未来なのかわかんねーけど、こうやって笑顔でいられるようになればいいなと心底思う。

特にAと武…野村さんに元カノさんも。

「おはよう、臣。

　っていっても夜だけど」

ゆっくり瞼を持ち上げるといつの間にか俺の腕からすり抜けて着替えが済んでいるAがいて。

ベッドに腰かけて俺を覗き込んでいる。

なんかそれが無性に腹が立った。

「なんで勝手に俺の傍から離れてんの？」

起きた時に腕の中に居ないってだけでキレる俺も相当だけど

目覚めた時に腕の中にAがいるのといないのとじゃ大違い。

だってキスしたり…ちょっとイケナイ事したりとか…できねーじゃん。

「……喉が渇いた…から？」

俺が怒ってるのはわかってるようで

でも何に怒ってるかわからないAが少し疑問顔。

かと言って、俺も何に怒ってるか言葉にできねーんだけど(笑)

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