[axis]⑦登坂広臣 (ページ36)

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広臣side ページ36

※

「寝てんじゃ

　……ねぇよ……」

なんて、気持ちよさそうに眠るAに小声で呟く辺り俺もなかなか健気。

俺にキスされると体が気持ちいいとか、それ言うだけ言ってさっさと寝るとか。

ほんと何。

あ、あれか。

俺今年大殺界か？

腕の中の愛しい子は、俺に襲われるとかそういう事全く考えてない無垢な顔して寝ているお姫様。

世界を動かすこのプリンセスは恋愛に関してはド素人。

なのに無邪気に、それもやたらと攻撃的に男心をくすぐって…いや

どついてくる。

結構エグイ角度からグッとどついてくる。

これを我慢してる俺もなかなかレベル高いはず。

好きだから手が出せないとか

まだ恋愛初心者相手だからとか自分を抑える言い訳はたくさんあるけど、それにしてもつらい。

「…内部告発して、婚約解消して、大輔さんが総裁になって、世の中が落ち着いたら

　そん時は、俺の我慢も壊していいよな？」

口で言うのは簡単だけど、考えれば気の遠くなるような話。

内部告発まで武と拗れたらうまく事が運ばないかもしれないし

婚約解消もそう簡単な事じゃない。

大輔さんが総裁になるのは…もう無理かもしれないけど…それでもやっぱ俺は大輔さんになってもらいたい。

総裁には向かない人だと散々言われてるし、完全に俺の情だけど。

あと…俺の中でやりたい事が二つ。

武をもっと知りたいのと

Aが言っていた元カノを野村さんを合わせてあげたい…可能であれば。

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