[axis]⑦登坂広臣 (ページ4)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:542,701 hit

広臣side ページ4

※

「ここだけの話Aが週明けに総裁就任会見を開くのに必要なデータ忘れちゃってさー。

　だから中に入りたいのにここに警備員さん立ってないんだもん。だからAたちはデータを取りに、その間に俺は入館許可もらうのに警備員さん探してたのに、どこにもいないし。

　どこに行ってたの？職務中に」

まるでサボってたよね?と言わんばかりの言い回しに、言葉に詰まる最初に応援を呼んだ警備員さん。

どうやら図星だったようで、上司らしき人のきつい言葉が飛ぶ。

やはり金曜日の深夜は警備が緩いっていうのは本当で。

毎回のように手を抜いていたことが発覚。

まあだからそのパターンが読めて俺たちが侵入できたんだけど･･･。

運悪く見つかっちまった･･･。

「それでも、規則ですから勝手に入られては困ります。

　一応書類作成と報告書は書かなければなりませんので、いったん警備員室にお越し願います」

そう言ってこっちに戻ってこようとするから、身を隠そうにもそんな場所ねーし

なんとしてもAを逃がしたい。

それなのに、俺が隠れていることに気がついた3人がこっちに視線をよこしてくるけれど、それが俺だけを逃がそうとしてるみてーで癪に障る。

「んなわけにいかねーっての」

小声で呟いて首を横に振り拒否を表した。

・