[axis]⑦登坂広臣 (ページ30)

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広臣side ページ30

※

書類の他に用意されてるのはメモリースティックと通帳。

予備にコピーされていてるメモリースティックがもう一つ。

俺にそれが渡されて、変わりに俺も預かっていたSDカードを差し出すと

それもすぐにコピーされて、俺とAでそれぞれが一つずつ持つ。

「月曜日まで私以外にこの証拠を持ってるのは臣だけ。

　私に発表できない何かがあった場合、臣にこの証拠を持ってマスコミにリークしてもらいたい」

この書類と、Aの社員証と証拠のメモリースティックにマイクロSD。

両手に持つとすげぇ軽くて風が吹いただけで飛ばされて行きそうだけど

これに世界の運命が乗っかってるかと思うと信じがたい気もする。

このバカみてーに広い地球の上の狭いマンションの一室に

この世界を動かすものがあるなんて、きっと誰も考えねーだろうなー…って

小説の中の世界みたいに、非現実的過ぎて実感がなかった。

でも

今間違いなく、俺の掌の上に世界の運命が乗っている。

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