[axis]⑦登坂広臣 (ページ17)

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広臣side ページ17

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期待のない目が俺を見る。

どうせ答えなんて言えないでしょって言ってるような目。

どういう答えを求めているかなんてぶっちゃけわかんねーけど

俺は大輔さんが総裁になれない事よりも

世界が壊れてしまおうとも

この子の求めてる答えも出せないけど、思ってるのはAの事。

「俺はAが笑ってるならそれでいい」

こんなことを言う俺も、もしかしたらこの世界に触れるようになっておかしくなってきたのかもしれない。

さっきまで説得に掛かろうとしていた自分が言う言葉じゃないしね。

この子と同じで俺もAが笑ってるなら世界が壊れてもいいと思ってる。

でもきっと、壊れた世界の中で生きていけばその笑顔は見れないのかもしれないけどさ。

じゃあやっぱり、日銀は潰れない方がいいんじゃないかって思うけど、答えはわからない。

何度色んな方向から考えても、何が正しくて何が間違ってるのか理解できなくて

なにより、俺はAをあの親から救ってやりたいだけ。

「これ貸してあげる」

急に話を切り替えた武。

言いながら出してきたのは一つの鍵。

どこにでもあるような、銀色のそれを俺に向けて差し出している。

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