[axis]⑤登坂広臣 (ページ49)

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広臣side ページ49

※

「だぁから、いいって言ってんだろ。

　タクシーそっちに行かせるから、とりあえず適当な荷物だけ持ってうちにこいよ」

「…わかった」

急にしおらしくなるAにちょっと笑っちゃいながら、いったん電話を切ってタクシーをAの家の方に向かわせる。

しばらくしてそのタクシーに乗ったっていうAからラインが来て、明日すげぇ重大な事が控えてるってのに、

「なにこれ超ニヤける…」

要するに、付き合ってもないのに始まる同棲。

誰かと生活空間を一緒にした事ないからド○○キするし

あいつが俺のテリトリーの中にいるってのがまた独占欲を満たされる。

「つーか、これで付き合ってないとかどうよ？」

誰もいない空間に呟いて、マンションの下に降りた。

丁度のタイミングでやってくるタクシーと、そこから降りてくる荷物を抱えたA。

やけに重そうで、何を持ってきたか聞く前に

それを持ってやろうと手を掛けた途端、ガチャガチャ瓶の音がする。

「………まさか酒？」

「あ、バレた？」

ジト目の俺を可愛い笑顔で見上げるA。

これは、わざとだな。

「今日は飲まねぇからな」

一応念を推しとく。

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