[axis]⑤登坂広臣 (ページ43)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:308,533 hit

広臣side ページ43

※

「100歩譲って野村はいいけど、臣はだめ。

　もしバレた時、三代目や事務所の事を考えるとダメージがでかすぎる。それに、守り切れない」

Aがまっすぐ俺を見てくる視線を俺の方こそ捉えて離さないでいると

もう一度Aが口を開こうとするから、今度は俺がそれを遮った。

「お前に護られる必要ねーから。俺がお前を護んの。わかった？」

なんでこいつはいっつも自分が犠牲になろうとすんのかな。

意味わかんねーんだけど。

「つーか俺も絶対行く。ダメっていうなら、この情報銀行側にバラす」

強い口調で訴えた。

まさか自分がこんな脅しの言葉を口にするなんて思ってもみなかったけど

でも、絶対に行く、そう決めた。

譲らない俺にAも負けじと言い返してくるけれど

頑固さで言えば俺の勝ち。

結局俺も一緒に日銀に忍び込む話にまとまった。

「…すっごい頑固」

呆れ気味に呟くAに満足げな俺。

「絶対証拠を手に入れよう」

そう言葉にすれば、2人が頷いた。

「大輔に連絡する。たぶんあいつも来るだろうから、明日仕事終わりで臣んち集合してそこで計画を立てよう。

　それから、もし何かあった場合…」

そこまで言ったAの言葉を俺が止める。

だってもし何かあったとしても

「全部が自己責任。覚悟してっから大丈夫」

そう言って、それ以上の言葉を言わせずに、変にAが責任を感じるようなことにならないように俺が自分で納得してる事を表明した。

・