[axis]⑤登坂広臣 (ページ39)

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広臣side ページ39

※

「一体何の話？」

俺の腕を振り払うAの声は不機嫌そのもので、俺と野村さんの間に割って入る。

でも。

俺の目の前にくる小さな背中に苛立ったのは俺。

なんで俺が好きな女に護ってもらわないといけねーの？って。

護るのは男の俺の役目。

それに、これは俺と野村さんの話。

「ちょっとお前下がってて」

肩を掴んで後ろに引くと、細い体は簡単に俺の腕の中に倒れ込んでくる。

その体をベッドに転がして、そこから降りた俺は野村さんの前に立ちはだかった。

「あんたが何をしようと、俺はこいつの傍にいるって決めてるんで。

　起訴でもなんでもすればいいし、マスコミにリークすればいい。

　あんたが無理矢理にこいつと結婚するってんなら、俺はどんな手を使ってでも略奪してやる」

そんな啖呵を切りながら、昨日の皆の投票が一瞬頭をかすめた。

ELLYの勝ちだよ、なんて思いながら野村さんの反応を待つと、"言うじゃん、お前"なんて吐き捨てながら立ち上がった。

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