[axis]⑤登坂広臣 (ページ35)

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広臣side ページ35

※

「てかそんなに怒るって事は図星？」

ベッドの上で怒り狂うAの火に油を注いでみると、見事に着火した。

しかも烈火のごとく怒り狂うって事は

「図星だな」

「あんたねぇぇぇぇぇ！！」

「てか誰としたの？元カレ？野村さん？」

「そんな事なんでいちいち言わなきゃなんないの！」

まあごもっともなんだけど。

ただの俺の嫉妬。

誰に抱かれたんだよ、お前…。

っていうすんげぇ嫉妬の塊が聞かずにはいられなかったっての。

この年まで経験ないとかそんな風には思わないけど、俺の知らない過去でこいつが好きになった人っがいるってのに誰だよってムカつくわけですよ。

俺はまだ好きになってもらってるとは言えない関係だから余計にその過去の男に嫉妬する。

「誰だっていいでしょ。

　臣だって、そういう風にしてきた女の人山ほどいるでしょ？」

不機嫌にそう言うAが俺から視線を逸らしてまたベッドに潜り込むから

これは嫉妬してんのかなー？なんて期待するけど、よくわかんねぇ。

布団をめくってみたけど、本当に二度寝の体制で別に俺の事なんて考えてなさそう。

カマかけてみようか。

「そりゃいるでしょ。一昨日もやりまくり」

我ながら行き過ぎた嘘だってわかってるけど、目に見える嫉妬が欲しくて派手に言ってみれば。

特になんの変化もないAが言い放つ。

「あっそ」

ってだけ。

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