[axis]⑤登坂広臣 (ページ15)

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広臣side ページ15

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20分しないで着いたヒルズ。

この前の記憶を辿ってレジデンスの方に向かいながらAに電話を掛ける。

きっと野村さんと一緒にいるから出ない…つーか、出れなくさせられてるかもしれないけど

しつこく何度もかけてると運よくつながった。

「A？」

聞けば小さく返ってくる返事。

向こうで野村さんの声が聞こえる。"また登坂？"って言ってる声。

「今お前んちの傍。つーかたぶんマンションの下。

　そっち行きて―んだけど」

そう伝えると、まさか俺がここに来るとは思ってなかったのかすげぇびっくりしてるA。

でも、微かに声に嬉しさが見えた気がした。

「でも…今野村がいる」

「別にいい」

そう伝えれば、すぐにラインするって電話が切れて1分しないうちに携帯が鳴った。

Aからのライン。

住所とマンションの位置情報、それからオートロックの暗証番号が書かれている。

すぐに行くって返事を返して、教えられたマンションのオートロックを解除した。

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