今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:212,551 hit
小｜中｜大
再犯24隆二side ページ38
※
「なんか上が騒がしいね…
Aさんの部屋に行った？」
ぽつり、背中側で直人さんが言って。
ほんの少しの沈黙の後、ハッと空気が揺れた。
「やばい、隆二！」
「なんすか？」
すげぇ慌てた直人さんに後ろを振り返れば、俺を抱え込むようにしてベッドに強制的に座らせられる。
「もし上にAさんがいない事を知ったあいつが、俺達のこの警戒に気が付いたら…
ここにAさんがいる事に気が付く！」
言われてゾクリとする。
俺達から見てあいつの動きはわかんねーってのに、あいつからはこっちの動きはきっと見えてると思っていいはず。
ここで俺達が警戒を張ってる事
外で臣たちが慌ててる事。
絶対にどこかで見ているはずだ…。
「普段通りだ、忘れてたけど…これをしてないと居場所を知らしめてる事になる」
そうしながらも神経は出入り口に集中させようと目を離していた窓に視線を戻しながら
ベッドの上に寝転んだ。
リラックスしたように見せかけて俺も直人さんも
心臓が痛い程緊張感に包み込まれている。
人間離れしてるあいつに、たった一瞬流れた臨戦の空気。
これが嗅ぎつけられてなければいいと…もう願うしかない。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 731人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui
| 作成日時：2017年5月9日 17時
