[axis]④登坂広臣 (ページ6)

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広臣side ページ6

※

「さっきも電話で伝えましたが、Aが継ぎたくないと言ってるので、他の人が総裁になるまで居場所は教えません。説得もしません」

さっきと同じ言葉を口にすれば、Aの親の言葉は俺じゃなくヒロさんに向く。

まるでヒロさんの躾が悪いからこんな俺って言う人間ができたんだと言わんばかりの言葉。

っつーか、別にヒロさん俺の親じゃねーし。

躾したのは俺の親だし。

理不尽な事で責められてるのにヒロさんは気にした様子もなくて

まだ俺に言い足りない事はないかと聞いてくれた。

言い足りない事なら

まだある。

「世界恐慌になろうと、なんだろうと

　Aがやりたくないってんなら俺は逃げる手伝いをする。あんたらがやってる事は世界にとってはいい事かもしんねーけど、Aっていう一人の人間を壊す事。

　現に今、半分壊れてる」

抑圧されて生きてきたあいつの、たまに見せる誰かに支配されている目。

どう考えたって、こんなのおかしい。

「自分の子をどうしようと親の勝手だ」

その言葉に頭に血が上ったけど、殴らなかった俺を後でヒロさんに褒められた。

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