[axis]④登坂広臣 (ページ31)

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:309,711 hit

広臣side ページ31

※

狭いベッドでくっついて寝てたから、次の日は体が凝り固まってるかと思えばそうでもなかった。

意外にいい目覚めの理由は？なんて思いながら腕の中のぬくもりを少しだけ抱き寄せる。

先に起きた俺が相変わらず腕の中で丸こまってるAを見れば、気持ちよさそうな寝息を立てていた。

このままの体制で頬杖をついて。

乱れた柔らかい髪を後ろから掬い上げる。

少し色素の薄い髪。

細くて柔らかくてちょっと癖がある。

手触りのいい髪を気に入って、何度も指で掬っていると視線の先にあるドアがそっと開いて

隆二が顔をのぞかせた。

「あ、仲直りしてる」

なんて言って満面の笑み。

まあここでこんだけくっついて寝てたらそう見えるわな。

仲直りっていうか…あの喧嘩も俺の感情が1人で暴走したもんだったんだけど…。

「もしかしてやっちゃった？」

朝っぱらから何言ってんのこいつって思うけど、まあ思われても仕方ねーかって。

「そういう関係じゃねーし」

Aを起こさないようにベッドから降りて、隆二と一緒にリビングへ向かった。

・