[axis]④登坂広臣 (ページ18)

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広臣side ページ18

※

「え？生きてんの？」

画面を見て変な声が出る。

妖怪のレベルじゃんこれじゃあって驚く俺に冷静なAの突っ込み。

「そんなわけないじゃん。亡くなってても口座が凍結されない場合が結構あるんだよ」

なのに急に500万の出金があったこの口座。

しかも10年ぶり。

「こんなのが他にもいくつかある…」

そう言ってAが黙ってしまうから、どういう事かと聞けば。

怖いぐらい真剣な目つきで画面を睨んだまま言った。

「証券会社に口座を開設するのに、銀行口座が必要なんだよ。

　この人の個人情報だってここには全部揃ってるし、開設するのに必要なものが全部揃ってる」

しかも、証券会社の口座にお金を入れたって事は、間違いなく株を買っているって事。

そこにお金が入ってないと取引できないから。

買ったかどうか確定はここからじゃわからないけど、買う必要がないならそもそもこんな風に休眠口座を勝手に動かす事も

証券会社の口座に入金する必要もないわけだから、ほぼ買ってると思っていい話。

そう言ってAは"クソジジィ"と唸るように呟いた。

たぶん、自分のお父さんに向けての暴言だと思う。

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