[axis]④登坂広臣 (ページ16)

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広臣side ページ16

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「たぶん、インサイダーで間違いないと思う」

早速本題に入ったA。

パソコンを取り出して、いくつかの画面にどんどんログインしていく。

慣れた手つきで動かしているマウス操作は、普段の仕事で見ている画面だからだと思う。

明らかに日銀関係者の、しかもかなり上の方の人間しか入れないような特殊ページにも入っていく。

「こういういのってログインしても平気なの？」

「大輔のアイパス借りてるから、私だと気づかれてないと思う」

システム管理の状態から言えば気づかれないと思うと言ったAがある画面を俺に見せた。

「昨日、あの後大輔と少し電話で話した。

　インサイダーの事しか話す時間がなかったんだけど、その話をした途端思い当たる事が…って話してくれたのがこれ」

そう言って見せられたのが"休眠口座"と書かれているページ。

マル秘のマークと共に、閲覧できるのは一定の役職以上の人間のみの制限付きのところ。

「この中は個人情報だらけだから見せらないけど、これってようするに使われなくなってる口座のリスト」

相変らず意味が理解できない俺にAが詳しく説明してくれた。

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