[axis]②登坂広臣 (ページ17)

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広臣side ページ17

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少しだけのつもりがこうやって話をしていると、だいぶ人がすくなっていて式典が正式に終幕した。

スタッフさんに誘導されて俺達も帰りの支度を始める時、写真の事を思い出して帰ろうとしていたAを呼び止めた。

「なあ、この前の写真どうする？」

USJで撮ったAの写真。

渡す事も送る事もできないからずっと俺の携帯に保存されっぱなしのそれをどうするか聞けば。

「ラインで送ってくれる？」

なんて言って、車に乗り込みながらIDを口にする。

「覚えた？」

「馬鹿にすんな、それぐらい覚えられるし」

短いその文字列を頭に叩き込んで、最後お嬢の仮面で立ち去るAを見送った。

「えー、なになに、超いい子じゃん。別に全然ムカつかないけどー」

俺とAのやり取りを見てた直人さんに肩を組まれて。

他のメンバーも一緒になって、"口は悪いけど"を連発していた。

「あのクラブの時は俺達がいたら相当ヤバかったんでしょうね。
　
　だからあんなに不機嫌だったとか」

岩ちゃんの言葉に、まあ確かになーなんて言う俺と隆二。

「でも、野村さんが勝手に俺ら連れて行ったんだけどね」

そう言って苦笑いの隆二に、"それな"って言う俺。

まあA本人もそれには気が付いたっぽいけど、とりあえず今は2人に口留め。

あの密会の件は他言しないように言われてるからね。

いくらメンバーでもこれ以上の事はしゃべっちゃだけでしょ。

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