[doll]⑱登坂広臣 (ページ37)

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広臣side ページ37

※

混雑すると思っていた首都高も特に渋滞はなくて。

思ったよりも早めに実家に着いたっていうね。

「着きましたよーAチャン」

あれからずっと無言だったAに声を掛けてみる。

寝てんのかって何回か気にして見てみれば目力超怖かったし。

「もう心臓が痛い」

目を見開いたまま気絶してんじゃねーかって思ったけどそうじゃなくて一安心(笑)

家の前に車を停めて、車を降りると

玄関が開いてかーちゃんねーちゃん親父が一斉に出てきた。

「なんで出てくんだよ！」

しかも全員！！

ゾロゾロと出てきて緊張で固まるAを一斉に取り囲むうちの家族。

やめたげて、心臓口から出ちゃうって言ってんのに。

ぜんっぜん聞いてねぇし。

「すっごい綺麗！近くで見るとすっごい綺麗！」

ねーちゃんがぐいぐいAに詰め寄って

「お人形さんみたい！！広臣！お人形さんみたいだよ！！」

なんでか俺を呼ぶかーちゃん。

「まあまあ中へどーぞどーぞ」

と、こん中ではまあ普通の親父。

んで結局俺1人残して3人はA連れて家に入って行っちまうし

玄関閉められたし！！

「なんでだよ！ばか！」

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