[doll]⑱登坂広臣 (ページ32)

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広臣side ページ32

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家に帰り、一息ついた所で昨日探し出しておいた物件をAに見せた。

「お前の方の事務所からなんか指定あんの？」

そう聞けば、何かを悩んでいる素振りを見せるAが黙ったまま頭を抱えているから

あー…要するに事務所の話聞いてなかったんですね、と。

「でもそんなに無理難題な事は言ってなかった気がする」

「うちの事務所だってそんな無理難題は言わねーから」

2人でソファーに座り、いくつか的を絞っておいたものをペラペラとめくっていくA。

お風呂が無駄に広い所とかそういうのをいちいち説明した方がいいかなー？なんて悪ふざけを考えていると。

「私の第一候補はここ！」

そう言って、突然何か閃いたのかその物件が印刷された紙を取り上げた。

「リビング広いし、部屋数も多いし。

　南向きだし、セキュリティが万全」

LDHの事務所近くのタワーマンション。

ひそかに芸能人が住んでる事の多いこのマンションはそれなりにやっぱセキュリティが凄い。

他のどのマンションよりもすごいと思う、うん。

「内覧行ってみる？」

Aの手からその物件を受け取って、さっそく明日電話してみようと丁寧に折って財布にしまった。

てかたぶん

ここで決まりかな。

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