[doll]⑱登坂広臣 (ページ19)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:712,306 hit

広臣side ページ19

※

家について、ベッドにAを寝かせると微かに目を開けて。

「皆は？」

「帰ったよ。もう家だからこのまま寝ちゃいな？」

頭を撫でてやるとまたゆっくり目を閉じていく。

安心しきったその顔を眺めながら、寝室を出てリビングに戻ると冷蔵庫から取り出した缶ビール片手にパソコンを立ち上げる。

見るのは物件情報で、今より広い間取りに限定していくつか候補を探した。

俺の方の事務所的にある程度条件があるからそこをまず探し出して。

Aの方の事務所からも出される条件をこの後さらに指定して探せばきっといくつかは希望に沿った物件が見つかるはず。

なんて思って画面を見てあっという間に1時間経過。

「やば…楽しいかも」

なんていうか、間取りを開く度そこにAと生活している自分を想像しちゃって楽しいっていうかなんていうか。

お風呂は一緒に入るから広めがいいとか

火を使うのはAには危険すぎるからオール電化がいいとか

ゲーム好きのAの為にでっかいテレビ買うとしたらリビングも広くしたいとか…。

いくつかプリントアウトしてAに見せるつもりが、もう何枚印刷したかわかんねーほどにまでなってて。

「あ、子供ができた時の事考えるの忘れてた」

結局また一からやり直しなんだけど、あまりに楽しい時間で結局1人で朝までネットの中に夢を抱いてた(笑)

・