広臣side ページ47
※
なんで俺ってこう…大事な事を最初にやっておかねーかな。
ほんっと昔っからこうなんだよ俺は。
1人でぶつくさ言いながら支度をする俺だけど
でも、Aに会えて…もう一度この腕の中に存在した事を体が覚えてるからぶっちゃけ
幸せ以外の感情は全て霞んで見えるからいいんですけどね。
余裕を持って家を出て、テレビ局へ向かうタクシーの中シンさんに今更だけどラインの返事を返した。
婚約者に戻りました。
それだけ送っておけば察してくれるだろうって、携帯をしまおうとした瞬間
シンさんから電話がかかってくる。
「早っ」
言いながら耳に携帯を当てると、マジで不出来な姉ですいません…と
昨日のラインの言葉と同じ事を言われた。
「えーと…なんすか？それ」
意味がよく分からなくて聞き返せば
Aが登坂に会いに行くと言って家を出たから、そう送ったと。
きっと登坂はAを許して受け入れるだろうから、先に謝っておいた。
そうシンさんに言われ、なんつーか…まあその通り過ぎてちょっと恥ずかしい。
「いいのかよ、あんな何考えてるかわかんねーようなヤツ。
また急に斜め上から発言してくるかもしんねーんだぞ？」
そう言った後に"正直身内でもしんどいわ"って言うから爆笑だよね。
「俺、この2年結局Aが忘れらんなかったんすよ。
たぶん、このまままた何年か離れても、ずっと待ってると思うんで」
何をこんな照れくさい事をタクシーの中で言ってんだ俺はって思うけど。
でも本音だからいっかなって、はっきり言葉にしておいた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui
| 作成日時：2017年4月19日 14時
