[doll]⑯登坂広臣 (ページ18)

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広臣side ページ18

※

「はぁぁぁ！？Aーーー！？」

俺だけもう一度叫んだ。

だって叫ばずにはいられない。

「いやちょっと待って、本人だとは限らないっしょ。同じ名前ってだけかもしれないし」

直人さんから雑誌を奪い取って食い入るように見る。

Aっていう名前が世界に一つなら確実にあいつだけど、そうじゃないんだからまだわからない。

「でも、日本国籍でドイツ在住のモデルって書いてあるし…それにさ、」

直人さんが言いながら俺の右耳のダイヤのピアスを指さした。

「その片方って…これじゃない？」

そう言って俺のピアスを指さしていた手が移動して

雑誌の中のAの左耳に光るもう片方のダイヤのピアスを指さした。

「あ！！！本当だ！！！」

叫んだのは隆二。

プレゼントの為に選んだ本人が言うんだから間違いない。

「…マジでAなの？」

こんな風にメイクした姿を見た事ないからよくわかんねぇけど

言われればこの大きな目にふっくらした唇…

なによりこれだけで人を引き付ける魅力。

Aだ…。

「ドイツで静かに暮らしてるんじぇねぇの？」

思わず言葉が零れていった。

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