[doll]⑮登坂広臣 (ページ8)

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広臣side ページ8

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その後は、お母さんが作ってくれた花ちゃんにそっくりな味の料理を皆で食べて。

お酒も進んで場は楽しい空気に包まれる。

しばらくすれば当然酔いも回って、思い出し泣きする隆二の号泣二度目を見て大笑いし

過ぎていく時間が早いとさえ感じる程だった。

「そろそろ送ってく」

そう言ってシンさんが立ち上がったから、時計を見ればもう深夜。

日付が変わる頃を指示していて、ずいぶん遅くまで居座っていた事を知る。

「すんません…こんな時間だったなんて気づかなかったっす…」

慌てて立ち上がる俺を親父さんたちは引き留めてくれるけど

そこはさすがのシンさん、気を利かせてくれる。

「Aがまだ登坂と落ち着いて話せてねーんだから、今日はもう終わり！」

可愛い酔っ払いの武藤敬司とAそっくりなお母さんが本当に心残りって感じに引き留めてくれるから

俺もうっかりこの場に居座りそうになるけれど、Aとの時間も早く欲しい。

さっきから、どこか元気のないAの事が引っかかっていたから。

「また遊びに来てくださいね」

残った料理を持たせてくれたお母さんにそう言われて、隆二は"明日来ます！"なんて言っている(笑)

本当にこの人、食べる事が好きだよね。

見送ってくれるご両親に挨拶をして、シンさんの運転する車に乗り込んだ。

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