[doll]⑮登坂広臣 (ページ34)

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広臣side ページ34

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すっかり眠りこけたみてーで、気が付いた時にはいつの間にか自分の家。

朝起きたまんまにしてったベッドに転がされるようにして眠っていた。

「…雑っ」

運んでおいてもらってなんだけど、俺をここに寝かせた人雑じゃね？

布団をかけるとか、もう少し真ん中に寝かせるとかあるじゃん。

俺結構端っこでもう落ちそうだったけど。

もしかして岩ちゃんかな？ここに連れてきてくれたのは…なんて考えて。

少し酔いの醒めた体を引き連れてリビングに向かうとドアの隙間から明かりが漏れている。

誰かいるのかな？ってポケットの中の携帯で時間を確認すればまだ日付が変わったぐらい。

誰か飲んでるかも…って思って扉を開けると、そこには隆二が1人でぼんやり床に座っていた。

「あ、起きた？」

俺に気づくとすぐにいつもの隆二になるけど、さっきの隆二はなんかいつもと違う雰囲気で

何か考えてるっつーか、思い詰めてるっつーか

そんな印象があった。

「悪い、隆二が運んでくれたの？」

「俺と健ちゃん。皆は明日仕事が入ってるから帰ったよ」

曇っていた瞳に光を灯すように笑うのは俺に何かを見せないためなのか。

でも聞いちゃいけないような気がして、気が付かないふりをする。

「飲みなおす？」

立ち上がって、勝手知った俺ん家の冷蔵庫から缶ビールを2本持ってくる隆二。

1本受け取って、2人だけで乾杯をした。

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