[doll]⑮登坂広臣 (ページ28)

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広臣side ページ28

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シンさんと花ちゃんも去っていき

日常だった世界が一転したような感覚に陥った。

3ヶ月前はこれが当たり前だったのに、なんつーか…マジで違和感。

「なんか寂しいね」

誰かがぽつりと言った言葉に頷く皆。

「ヒロさん、また今度新曲出す時、またシンさん達に頼んでくださいよ」

また誰かの声。

「それがさぁ、あの人達のスケジュール押さえるの奇跡に近いんだよ。

　俺も頼んだんだけど、本来の仕事とか他のオファーとか入ってて全然入る隙がなかった。

　今回はまあ…色んな条件が運よく重なったっていうだけ」

チラっとヒロさんの視線が俺を見て、Aのストーカーの件を言っている事を感じるけれど

それ以上結婚の事や俺達の事を何も言ってこないのは、Aが海外に行くことを知っているって事だろう。

たぶん。

ヒロさんならここで婚約いえーい！みたいに盛り上げちゃうしね。

でもそれがないからきっと…知ってる。

「でもまあ、シンさん達を紹介してくれた人達なら、また頼めそうだから」

それだけ言って解散が言い渡された後

皆が帰っていく人の流れの中でヒロさんに呼び止められた。

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