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広臣side ページ21
※
頭ん中で繰り返される葛藤と未練が十分俺を苦しめた頃。
泣くことにも疲れて、ぼんやりとやってくる眠気。
こんな時でも眠くなるんだなーって、重たい体でのそのそと寝室に行けば。
そこには色濃く残るAの欠片に、虚しさが蘇る。
きっとこれからこうやって…
生活していく中でたくさんの欠片を見つけるんだと思うと、この別れを乗り越えられない気がして仕方がない…。
「…乗り越えなければいいのか…」
我儘な子供見てぇなことを呟いて
甘い香り残る自分のベッドに包まった。
明日は朝から事務所。
きっともうAは来ないだろうな…。
会いたいなって思う自分と
会う事がつらいと思う自分の中で、ゆっくりと瞼を落とす。
どうか夢に現れないでと願い
ベッドに残るAの香りを思い切り吸い込む。
何度もこの悲しみを味わうのは、俺には到底無理だから…
だからもう、俺の前に現れないで。
それがたとえ夢の中だとしても…。
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作者名：Rui
| 作成日時：2017年4月13日 21時
