[doll]⑫登坂広臣 (ページ49)

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広臣side ページ49

※

「今、隆二と直人さんが追ってる！」

俺が2人にそう叫んで。

シンさんが俺らに叫ぶ。

「Aは！？」

「無事です！」

岩ちゃんが俺のベッドに上がってAを守るように覆い隠す。

窓の外からも廊下からも見えないように、その体を盾にして。

「とにかく部屋に入れ！」

シンさんが少しだけ居心地悪く言う言葉には、集まりだす人達の安全も考慮しての事。

俺達の叫び声に何があったかと集まりだす無関係の人間を巻き込まないよう、すぐに俺らの部屋に全員が入って。

○さんやジンさんも呼んで、扉を閉めカギをかけた。

「一つ一つ部屋を探し回ってた？」

○さんの言葉に、シンさんと渚さんが首を振る。

「俺ん所には来てねぇ」

呟くシンさんに渚さんも頷く。

それに、ここ以外の他の部屋は普段通り静かな状態。

芸能人である俺らのこの合宿所に、一般の人が勝手に部屋に入ってくるような状況になるならもっと騒ぎになっていていいはず。

しかも、あんな怪しげな男。

なのに騒ぎというそれが、この部屋以外のどこにも存在していない。

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