[doll]⑫登坂広臣 (ページ30)

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広臣side ページ30

※

Aを壁側にして、その隣に寝転がる俺。

まだ熱があるからしっかり布団をかけてやって、俺はその布団に入らずに上に寝転がる。

狭いけど、近いのが嬉しいなんて思いながら携帯をいじって、ゲームをしたり

隠し撮りしたAの写真を見たり。

ちょっとニヤつく自分に笑いながら、この静かな時間を過ごす。

他の皆もベッドに寝転んで携帯をいじってるばっかで、静かだと思っていたこの空間に違和感が生まれた。

妙に静かな室内が気になってくる。

少なからず緊張はしてるし、一瞬忘れていたこの雨の音がやっぱり耳障りでしかない。

なんか

この雨が俺は気に入らなくて、変な感じがする。

思いながら弄んでいた手の中の携帯が振動して、視線を戻すとポップアップに岩ちゃんからのライン通知を知らせる文字。

こんなに近くにいるのに、なんでライン？って思ったその時。

一言見えたその言葉は。

"動かないで"

だった。

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