[doll]⑫登坂広臣 (ページ26)

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広臣side ページ26

※

ダルそうにするAは、横になると少し楽になるのかゆっくりと目を閉じて。

あっという間に眠りに堕ちる。

相変わらず顔は赤くて、熱も高そう。

また魘されねーかって心配になるけれど、今のところ大丈夫らしい。

「とにかく、今はまだAが夢で見て不安がってるだけにすぎねぇから大事にはしねぇ。

　ただ、あいつが釈放されてる事だけは頭に入れといてくれ」

「わかりました」

シンさんがいつもに増して真剣な表情をするから、やっぱり思い過ごしにはならないような感じがしてくる。

なんつーかもう…あいつがこの近くまで来てるような錯覚さえ起きる程に。

「あと、お前に頼みがある」

花ちゃんがまっすぐに俺を見て、何をするかと思えば突然頭を下げた。

当然驚いて声が出ない俺。

「Aとしばらく一緒の部屋になってやってくれ」

「そりゃ当然、もちろんです」

言われなくても、それは俺からお願いしようと思っていた事、そう言おうとしたけど

花ちゃんの言葉の方が先だった。

「この部屋でじゃない。お前の部屋で、だ」

そう言われて、一瞬俺の部屋で？と疑問が浮かんだ。

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