[doll]⑫登坂広臣 (ページ25)

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広臣side ページ25

※

「ごめん、臣…」

腕の中から聞こえる小さな声に、謝る必要なんて何もない事を伝えて。

ただ必死にこの恐怖に怯え続けるAをどう宥めようかそれだけで頭がいっぱいだった。

「あの男の事だから、たぶん婚約の事も知ってると思っていいと思う。

　ストーカーの再犯率の高さと、執着力は半端じゃない。だから、当然お前も狙われる可能性がある」

そう言い切ったシンさんに、俺が言う言葉はただ一つ。

「俺が狙われる分には構わない。Aにだけは絶対に危害を加えさせたくねぇ」

「…気持ちはわかるけど、Aも登坂と同じ気持ちだから。

　だからそれが怖くて、登坂がケガしたり最悪命を落とすようなことになったらって考えて、体に異変が起きたってわけ」

花ちゃんが言う言葉は、さっき○さんが言っていた事と同じで。

ほんっと俺って

「お前に愛されてるよね」

大丈夫、俺結構強ぇから。

本気で殺しに来るような相手なら、手加減しなくていいわけでしょ？

「心配すんな、自分の事もお前の事も

　俺がちゃんと守るから」

そう言って、震えるAをそっとベッドに寝かせた。

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