[doll]⑫登坂広臣 (ページ22)

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広臣side ページ22

※

さっきまで真っ赤だった顔が一転、

またみるみるうちに青く白くなって激しく咽込み始めた。

「マジかよ…」

その姿にシンさんが呟いて。

俺は急いでAの傍に行って背中をさする。

「大丈夫だから…心配すんなって」

でも、釈放されてるかもしれないって聞くと、ちょっとただ事じゃない。

あの時の狂気染みたあいつの行動や言葉

なによりあの表情は俺でも思い出すとゾクリとするもんがある。

そんなのに狙われてるAからしたら、当然恐怖以外の何物でもないだろうし

こうなるのもわかる。

「悪い、登坂。花呼んできて。で、ちょっと俺達3人で話させてくれ」

緊張感を纏ったシンさんの言葉に、俺は言われた通り花ちゃんを呼んで。

○さん達と一緒にこの部屋を出た。

せめて一緒に話をさせて欲しかったけど、今はそういう事言ってはいけないような気がした。

姉弟の繋がりに彼氏って存在の他人が勝てるとは思ってないけれど

でも、守るのは俺の役目だって事、それだけは知ってて欲しい。

「…A」

閉じられた扉の外で、中が気がかりな俺。

待ってる時間がもどかしてくて落ち着かない。

そんな時、穏やかに声をかけられる。

「たぶんだけどさ、」

俺の後ろで○さんが口を開いた。

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