[doll]⑫登坂広臣 (ページ21)

今日:29 hit、昨日:2 hit、合計:462,704 hit

広臣side ページ21

※

「まあ確かに今までこんな風になった事一度もないしねぇ」

○さんもフラッシュバックだとは思ってないっぽい。

当然ジンさんや渚さんもだし、当の本人もそうは思ってない様子。

それならそれでいいんだけど

でもさっきのあの様子はただ事じゃない。

「俺、Aの事で今まで働いてきた直感を無視して結構失敗してきました。

　今回もその直感がなんか警告してる気がするんで、無視したくないんすよ」

現にさっきだって戻ってきた事が正解だったわけで。

「いやでも、あいつはまだ拘留されて…」

そう言いかけた○さんの言葉をシンさんが封じた。

「…いや、起訴か不起訴かわかんねーけど、拘留期間はもう過ぎてる…」

「え！？って事は、そのコウタって男が普通に生活してるかもしれないって事っすか？」

「もし弁護士が付いてれば、不起訴になって釈放されてる可能性が高い」

俺の言葉に返ってきたシンさんのセリフは

思った以上に重たいもので、それを聞いたAが明らかに異変を露わにした。

・