[doll]⑩登坂広臣 (ページ8)

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広臣side ページ8

※

それでも…。

中には結婚しないでっていうアーティストとしてはファンの人にそこまで思ってもらえるなんて、それもまた違う意味でありがたいわけで。

ただ

今までと世界が変わった。

空気というか、なんつーか…俺を取り巻く何かが変わったのを肌で感じる。

好意的な視線の中にそうでないものもあるわけで

それが俺に対して向くか…Aに向くか…。

わからないけれど、このほとぼりが冷めるまでは大人しくしていた方が賢明。

まあこの山籠もり期間がちょうどよかったっていうね。

「まあ無事発表できてよかったじゃん」

ヒロさんに呼ばれた俺は、ヒロさんの部屋で2人きりで今後の事を話し合いしている。

「Aはなんだか落ち着かなそうですけどね」

一日中ワタワタしてたAを思い出すと笑っちまうし

落ち着きなさすぎてシンさんにどつかれていたのも面白い。

「まあ、どうせしばらくはここだし。特に心配することもなさそうだし」

「そうっすね。俺は皆さんに散々当たられましたけど」

体中にできたアザをヒロさんに見せるとこれまた大爆笑してて。

「まあそりゃ仕方ないっしょ。皆狙ってたし、まさかの婚約発表だし」

しばらくは続くんじゃねーの？って明るく言うヒロさんに、この人はドＳか！って突っ込みたい。

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