[doll]⑩登坂広臣 (ページ6)

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広臣side ページ6

※

「じゃあさ、この前の返事聞かせて」

俺がプロポーズした、あの返事。

閉じ込めていいなら、ずっと俺の物でいてくれるって事でしょ？

それならさ…。

返事を待つ俺に。

Aは耳まで真っ赤にして強く俺にしがみ付く。

本当はこんな返事の聞き方なんてするつもりなかったし、いつまでも待つつもりだったのに。

逃げ道すら塞いだようなこの問いかけは、言い換えてみれば逃がさないって言ってるって事。

Aは気が付いてんのかな。

もう"はい"って返事するしかないって事…。

「ねぇA…」

そっと名前を呼んで、そのカワイイ顔が俺を見上げるのをジッと待つ。

そこでようやく上向いた顔を間近で覗き込んで、視線を捉えた。

「俺と…結婚して？」

キスをせがむような距離で、唇に吐息を吹きかける。

この距離をもどかしく思うAのカワイイ声が漏れてくるのが愛しくて、早く"はい"って言っちゃえよってせかしたい俺。

キスもしてぇし、返事も聞きてぇし…。

待ちきれず短いキスを落とすと、火が出る程真っ赤のAの小さな返事。

「よろしく…おねがいし…ます…」

やっと聞きたかった答えを

聞きたかった声で聞けた。

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