[doll]⑩登坂広臣 (ページ36)

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広臣side ページ36

※

「これからミッションを与えます」

電話の向こうで司令官なネーチャン。

この人、暇だな…。

「何がミッションだよバカ」

「黙れ小僧」

相変わらず口が悪ぃやつ…。

「とにかく、お嫁にもらううちの親の立場になれ！ちゃんと相手のご両親に挨拶して認めてもらう事！！わかったかこのバカ！！」

「うるせーバカ！！わかってんだよ、そんな事！！」

「わかってなかっただろーがこのバカ！！」

「バカバカ言うなバカ！！」

電話に向かってギャーギャー騒ぐ俺を宥める傍にいる隆二。

俺とネーチャンの姉弟喧嘩ってほんっとくだらなくてとにかくバカをたくさん言った方が勝ちっていう謎のルールっぽいのがある。

昔っからとにかく何かにつけてバカバカ言い合ってた。

30歳になった今もこの状態っていう…。

「俺って成長してねーのかも」

「全然してねーわ、バカ」

お前もしてねーよ、ネーチャン…。

同じレベルの俺達はいつまでも言い合っちまうからもう電話を切ってしまう。

「あー、うるせー女」

「相変わらずお姉さんもお母さんも面白いねー」

他人の隆二からしたらおもしれーかもしんねーけど

身内の俺はいい加減にしてほしいと思う事が多いわけで。

「まーネーチャンの言う事も正しいし…ちゃんとAの親に挨拶しねーと」

とりあえず、結婚までにやる事はたくさんあるって事がわかった。

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