[doll]⑩登坂広臣 (ページ28)

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広臣side ページ28

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「えー…と、え？？」

あんまりよく事情が呑み込めなくて食堂内を見渡せば、三代目メンバーを中心に全員が狭い室内にぎゅうぎゅう詰めになって俺を歓迎してくれている。

しかも

「え？なにこれ、ケーキ？」

やたらとでっけぇメルヘンチックでウエディングケーキかっつーようなのが目の前で鎮座していた。

「花ちゃんが作ってくれたんだよ～」

立ててあるロウソクに火をつけながら言う直人さんが"ねー花ちゃん"ってキッチンの方に声をかけると

すっげぇ野太い声でハッピーバースデーの曲を歌いながら花ちゃん登場。

両手には大皿に盛られたごちそうが。

つーか花ちゃん…いい声ですね…。

そんな花ちゃんにつられるように大合唱となったこの歌は、終わりに近づくと皆が一斉に携帯やらデジカメを用意して、レンズが全部俺に向けられる。

「はい♪消して消して～」

歌が終わると拍手が巻き起こり、それに応えるように火を吹き消して。

同時にもう一度俺に贈られるHAPPY BIRTHDAYに俺は照れくさくも笑顔を贈り返した。

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