[doll]⑩登坂広臣 (ページ17)

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広臣side ページ17

※

「お誕生日、おめでとう」

日付が変わる時

照れくさそうに言うAがプレゼントを差し出してくれて。

それを受け取る俺を間近で見てる隆二(笑)

お母さん、何を心配しているのか俺たち2人を見てド○○キハラハラしてるしね。

そんな隆二に、Aが向きを合わせる。

「今市さん」

まさか自分が呼ばれると思っていなかった隆二がびっくりしたように顔を上げて上ずった声を出して。

思わず笑ったAはもう一つ、手にしていた俺のとは違うブランドのショッパーを隆二に差し出した。

「色々とご迷惑をおかけしたお詫びと、臣の事をたくさん教えてくださったお礼です」

「ええー！！いやいや、貰えない！！」

後ろに飛び跳ねるようにして逃げる隆二をすかさず追いかけるA。

「いやいや、貰ってくださいよ！ほんの気持ちですから！」

「臣！助けて！」

逃げ惑う隆二が俺に助けを求めるけど

困ったように俺を見るAの気持ちの方が数百倍大事なわけで。

Aの手からショッパーを奪い取ると、隆二に向かって放り投げた。

「うわっ」

慌てて受け取る隆二がうっかり自分の手に納まったそれを見て観念したように笑う。

「あ…ありがと」

照れた顔がまたニャンちゅうみてーで。

「カワイイですね、今市さんって」

その言葉に、ニャンちゅうはユデダコみてーに真っ赤になった。

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