広臣side ページ5
※
食事の代金をアオイさんに渡したけれど、いらないよって笑顔。
いやいや、いらないじゃなくって、アンタに借りを作りたくねーっての。
俺とAの分を無理矢理テーブルに金を置いて店を出た。
「臣、これ私の分」
「いらねーし。なんでお前はいつも金出すかな」
「え？だって私が食べた分だし、食い逃げみたいだし…」
「別に逃げてはないでしょ」
そう言ってうやむやにしてしまうと、困った顔をするAだけど
こういう所が妙にきっちりしてるってのも面白い。
タクシーを捕まえる前にコンビニに寄る。
当然買い込むのは酒。
「ねぇ臣、今市さんに電話してお部屋に行っていいか確認してくれる？」
「大丈夫だろ」
「臣は大丈夫でも、私は気を遣いますー、確認してくださいー」
一応礼儀としては正しいわけで。
珍しくそんな気の利いた事を言うもんだからちょっと驚いた(笑)
で、隆二に電話する。
「あ、俺。今からAと部屋帰っていい？3人で部屋飲みしねー？」
なんか色々変な勘違いしていたけど、ちゃんと理解してくれた隆二は電話を切る瞬間、まだ繋がってる状態の一瞬の間に
「大変！部屋片付けなくっちゃ！」
って乙女みてーな事口走ってた(笑)
どんだけ散らかしてたんだか。
携帯を切って、コンビニの籠をAの手から受け取った。
「俺らは酎ハイでいいけど、Aは？」
「死ぬほど飲んでいいのなら日本酒買っていきますが、そうでないのなら私も酎ハイで」
「酎ハイで決定です」
この前隆二にやらかした事忘れてんのかな？この子は。
色々不安になりながら、酎ハイを数本買って宿舎に戻った。
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作者名：Rui
| 作成日時：2017年2月18日 0時
