[doll]⑥登坂広臣 (ページ30)

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広臣side ページ30

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長い一週間が始まった。

1日目。

それでもまだなんとかトレーニングに集中できる。

俺とAの事情を知ってるやつらはAがいなくて寂しいねーなんて悪い笑顔でからかってくるし

俺の片想いだって思ってる人達はフラれたかー？なんて言ってくる。

笑って返事をする余裕があったのに。

2日目。

妄想の中のAがカワイイ顔で俺を誘う。

妄想じゃない本物のAにラインするも、忙しいのか返事は夜中に一通来たのみで、寝ていた俺はやり取りができなかった。

3日目。

目がギラギラしてるって言われる。

自覚あるけど仕方ねーし。

隆二と一緒にDVD借りに行こうとしたけどやめておく。

そんな時Aからラインが来てちょっとうれしい。

4日目。

いい加減我慢の限界。

本人に欲求不満だと打ち明けてしまおうか本気で悩む俺。

でもドン引きされたらいやだから黙っておく。

5日目。

限界の向こう側へ行けたらしい。

なのにAときたら急に写メ付きラインを送ってくるから限界のこちら側へ一瞬にして引き戻された。

画面の中でカワイイ顔で笑うAは珍しくスーツを着ていて。

そのスーツを見せたかったらしいんだけど、ムラムラするっつーね。

脱がしたい衝動。

6日目。

もうイライラしていて誰もからかってくる人がいなくなった。

この一週間、ひたすらAの事を考え続けた俺はきっと

魔法が使えるようになった気がする。

7日目。

やっと今日。

Aが帰ってくる。

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