[doll]⑥登坂広臣 (ページ2)

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広臣side ページ2

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「俺も動物園行きたい」

あんまり楽しそうにアオイさんと話をするAに絡みつくように抱きついて。

希望を口にすれば、至近距離で振り返るAは返事を渋った。

まあ、それは俺のせいでもあるんだけどね。

「芸能人とおでかけって…すごいリスクある事だよね」

"よくよく考えると"って付け加えるAは、今のこの状況も改めて非現実的と言った。

それ、俺の言葉なんですけど。

こんなに好きになった人と付き合えた事自体非現実的。

芸能人だって一人の人間で、別にそれが仕事なだけで他の社会人と何も変わりはない。

ただテレビに出ているから他の仕事よりは気を使わなきゃいけない事は多いけどね。

でも俺だって人間だし1人の男なんだから、好きな人と普通にデートしたいし、イチャイチャしたいし。

「週刊誌に取られたらすごい事になりそう」

ぼやくAに、今までの行動が油断しすぎていた事だと反省を始めた。

あ、これ

やばい空気。

瞬時に察した俺の、この短い経験はレーダーを感知した。

「いや、あのね？だからって俺と距離取らないでよ？」

Aの事だから急に俺と距離を取ってよそよそしくなりそうな予感がして。

しかもそれ大当たりだったらしく、急に自分と俺という芸能人に対し線引きをしようとしていた。

なにそれ。

「Aのばかあほ」

とりあえず、言っておく。

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