【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ9)

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昼間来たホテルに戻ると、ちょうどAも終わったところらしかった。

それぞれが帰宅したり次の仕事に向かう中で涼太と並ぶAを発見。

｢あ、ガテン系王子様のお迎えだよ｣

｢誰がガテン系やねん！｣

僕を見つけた涼太のブラックな一言に突っ込みながら”おつかれ”って声をかけたAがオフモードに入ったのか、いつも2人きりの時に見せてくれるふにゃっとした子供みたいな顔で笑った。

そのまま僕の方に来るからなんやろ？って思ってると、どうも2人きりと錯覚したみたいで抱きつこうと両手を伸ばしてきた所でピタリと止まった。

｢……間違えちゃった。

ここ外だった｣

僕と涼太を交互に見て、恥ずかしそうに手を下げたAをもうどうしたらええの！

｢これは確かに龍友くんが夢中になるの分かるわ。

可愛いもん。どうしようかってぐらい可愛いもん｣

年上なのにそんな感じしないって言う僕に激しく共感してくれた涼太は、初めて見たAのギャップにかなり萌えたらしい。

｢クールな人の彼氏にしか見せない素顔とかヤバイね。

俺も今やられたわ｣

Aめ、涼太まで虜にしおったわ……。

もはや可愛いは罪やな。

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