【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ49)

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あっちこっちとパーク内を回って、気がつけばもうパレードの時間。

あたりはすっかり暗くて、周りの人達はパレード見たさに場所取り完了しとるとこ。

｢なあA｣

｢ん？｣

｢パレードの前にシンデレラ城行かへん？｣

中には入らんけど、外から一緒に写真撮りたいなー、なんて僕のイメージ的にそういうのどうなん？って思うけど、欲しいもんは欲しい。

僕が手を引くと素直に着いてくるAとシンデレラ城の前に。

ライトアップされとるそれがめっちゃ綺麗で、柄にもなくナイトになった気分。

当然Aはお姫様やな。

｢ちょっとすんません｣

通りがかったカップルを捕まえる。

ほんでスマホ渡して写メ撮ってくれませんかと頼むと僕ら完全怪しい風貌やのに快くOKして貰えた。

｢それじゃあ撮りますよ｣

彼氏さんがスマホのレンズをこっちに向けて。

はいチーズのタイミングで僕のサングラスとAのサングラス押し上げたった。

あ！なんて声が出たのは目の前のカップルとAからで、すぐさま唇に人差し指を立てるとカップルの2人は慌てて自分の口を手で塞いで頷いてくれる。

｢ありがとう。

内緒にしたってな。Aにゆっくりパレード見せたいねん｣

ただひたすら頷いてくれるカップルにもう1回お礼を言って、その2人を見送った。

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