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誰もいない海を散歩して車に戻る。
コンソールに置いたシーグラスが走り出した車の振動でカチャカチャいうとった。
｢めっちゃ拾ったやん｣
｢うん。綺麗だったからつい｣
ビンに入れて飾るっていうAにはあんまこういうの飾るイメージないねんけど……ほんま頭打ってからちょっと変わった気ぃするわ。
前やったら綺麗だとは言うと思うけど、飾るっていう発想にならなそうっていうか。
｢なぁに？｣
シーグラスを1つ、掌の中で弄びながら気がつけばAをめっちゃガン見しとった僕。
その視線が気になったAがほんの一瞬僕を見た。
｢いや、腹減ったなーって｣
｢あー、もうお昼だもんね。
何か食べよー｣
｢ほな、僕のオススメの店行こか｣
僕が指示する通りに車を走らせるAは時折僕のナビにケチつけながら、多分１回道間違えたけど無事に到着。
エンジン切ったAが爆笑しながら僕を見て。
｢龍友、ナビ下手｣
なにかツボなのかケラケラ笑っとる。
｢うそやん、分かりやすいやろ｣
まあちょっと、曲がる時とか言うタイミング遅かったかもしれへんけど、大筋あってたやろ。
｢私だからたどり着けたんだよー
他の人だったら無理だよ、多分｣
自画自賛のAと一緒に、僕がよく一緒にサーフィンする友達に連れてきてもらってからお気に入りになった海鮮丼屋の暖簾をくぐった。
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
