【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ40)

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サーフショップを出て、せっかくやし昼飯の前に海へ。

サーフィンはオフシーズンに入ってきてるし、昼間は全く人がおらへん。

朝はそれなりに人がおったやろうけど……今日は海が静かやしサーフィンするには物足りなかったやろうな。

少しだけ寂しくなっとる海は、僕らからしたら好都合で、砂浜を手を繋いで歩きたいという僕のミッションは成功や。

小さな手を引いて、波の音を聴きながらただ歩く。

後ろを着いてくるAは、たまに手を引っ張られる感触があるから、海見たり貝殻拾ったりしてるっぽい。

立ち止まる度Aの楽しそうな声が聞こえるのが幸せ満たされる感覚で胸んとこがぎゅうってするわ。

なんやろ、純愛やな自分。

｢ねぇ、このガラス綺麗だよ｣

僕の横に並んで来たAの手の中にブルーのそれ。

｢シーグラスやで。

綺麗やろ｣

周りを見れば足元にも白のシーグラス。

拾ってAの掌の中に乗せた。

｢新しい家に飾ろうかな｣

｢そういや、家具とかも買い揃えるんやろ？

今度一緒に見に行こか｣

思い出したのかスマホからマネージャーさんに僕が話がしたいということを伝えてくれたAは、画面から僕を見上げて可愛い顔で頷いとる。

少しぐらいなんか可愛い家具選んだろ、とか内心計画しつつまたシーグラス拾ってAの掌に乗せた。

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