【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ36)

今日:9 hit、昨日:37 hit、合計:42,883 hit

836 ページ36

◇

｢ところでさ、数原｣

さっきからこの人毒しか吐いてへんけど、まだ何か言うつもりやろか？

めちゃめちゃ警戒する僕に振り返る悪い笑顔。

もう絶対イジってきてるやん。

｢あれだけ憧れて大好きだった人と付き合うって、どんな気持ち？｣

意外にも普通な質問でちょっとホッとする。

この人の事やからぶっ飛んだことでも聞いてくるかと思ったわ。

｢めちゃめちゃ舞い上がってますよ、毎日｣

当然やろ？って、言う僕に”まあそうだよな”って納得した……けど

急に僕の肩抱き抱えて、Aに聞こえへんように耳打ちされる。

｢初Ｈ、どうだった？

緊張した？興奮した！？｣

”てか、羨ましいぞこの野郎！”って、もうね

もうホントね……ノリが泥酔したオッサンなんよ、この人。

｢昼間っからゲスいっすよ、にぃさん｣

｢気になるジャーン！

だって、アナタ、その右手と共にどれだけ妄想Hしてたのさ｣

｢声でかいし、聞こえるし！｣

Aに聞かれたら完璧アウトなんやから、小声で頼むわ、ほんまに。

｢まあでもさ

良かったじゃん、片思いが実って｣

僕の背中バッシバシ叩いたかと思うと、サーフボード眺めとるAの方に営業スマイル貼り付けて行ってもうたわ。

･