【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ30)

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遠巻きに”RAVEだ！”とか”Aだ！”なんて声が色んな所から聞こえてくる。

僕の事も、誰かが名前を口にしとるのがチラホラと。

よっしゃ、早よ写メ撮ってTwitterにアップせぇ！

タグにデートなう入れるんやで！

数原龍友の妄想説打破してくれや。

こんだけ人おんねんから、誰かしらやってくれると僕は信じてるで。

頭の中ではもうネットニュースになってるやろぐらいな僕。

そんな事全く知る由もないA。

可愛いやら綺麗やら、そんな言葉を向けられとるのにも気づかんくて、無邪気に何かを指さしとった。

｢アイス食べたい｣

言いながら、可愛い笑顔で僕の手を引っ張って歩く。

右手はAに引かれて、左手はポケットの中。

そない焦らんでもアイスは逃げへんで、なんて言ったるけど早く早く！なんて急かして、少し前を歩くから

子供みたいやな、なんて

引っ張られながらおじいちゃんみたいに微笑んでもうたわ。

｢ほんで、何すんの？｣

目的のお店の前で、すっごい悩んでるから聞いてみた。

けど、決められへんぽい。

まあ、こない種類あったら悩みそうやな、確かに。

アイス……ってよりはジェラートってやつ？

カラフルなんが沢山並んでて、どうも目移りしてまうAは何がええのか決められへんって僕を見た。

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