【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ28)

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｢ほな、普通に行こか｣

普通って何が普通なのか、仕事柄麻痺しとるけど、Aが嬉しそうにしとるからなんでもええか。

素顔晒して手ぇ繋いでめっちゃラブラブしたるわ。

｢皆の前でチューしたろか？｣

｢……遠慮します｣

ほんの一瞬チラッと僕を見た目の冷たい事！

運転中やから視線だけで抗議されたけど、これ普段やったら無言スルーやったろうな。

けど今日の僕ね無駄にテンション高いからどんなに冷たくされても気にせぇへんで。

デートやし、水着選ぶし。

あー、ほんま色々楽しみや。

めっちゃ浮かれた僕を乗せた車は一番最初に見つけたサービスエリアへ。

駐車場が比較的空いとるし、平日の朝やからそない人も多くない。

車を停めて、僕はもともとサングラス掛けてたけどAは黒縁の伊達メガネを掛けた。

｢帽子……いるかな？｣

｢いらんやろ。

丸出しで行ったらええやん｣

さすがにそれは危ない？

囲まれるかな？

僕はともかくRAVEやし……悩むわ。

考え込む僕の前で帽子を置いたA。

その目で僕を見て。

｢変な人いたら、守ってね？｣

｢任しとき｣

守らん選択肢なんかハナからないわ。

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