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｢龍友、龍友｣
腕の中からAが僕を呼ぶ。
あんまりラフな感じに呼ばれたからなんやろ？って油断した。
｢ん？｣
返事を返した僕に、寝起きやからか柔らかい目線。
ほんで赤い唇が開いた。
｢結婚し、ょ……っ……｣
｢あかん！｣
なんの前触れもなく突然何を言い出すかと思ったら、まさかの結婚がどうとか。
てか、それは僕が言いたいセリフ！
慌てて掌でAの口を塞いだ。
そう思ってくとるのは嬉しいけど、これは僕が言いたいねん！
｢あかんで、A｣
｢？｣
僕に口を塞がれたまま、言葉を発せないAが少し首を傾げた。
なんで止められたのか分からんっぽい。
まあ、それはそうやろなと思うけど。
｢プロポーズは僕からAにしたいねん。
せやから、言わんといて。僕の楽しみ取らんといて｣
まさかAが結婚言い出すとは思わへんかった。
そういうのに興味無いと思ってたし、そもそも僕を結婚する対象として見てくれてたのかもよく分からない。
でも、今の言葉はぶっちゃけ舞い上がるほどの破壊力。
｢あーもう！大好きや！｣
舞い上がりすぎて、嫌なことも一瞬忘れるほど。
懇親の力でめいっぱいAのことを抱きしめた。
すぐに腕の中で”背骨折れる〜……！”って苦しげな悲鳴が聞こえてきたわ。
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作者名：Rui
| 作成日時：2021年1月5日 23時
