【氷と炎】⑰数原龍友 (ページ24)

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ベッドルームに戻るとまだAは起きてた。

｢寝れへんの？｣

眠そうやのに、僕を見ながら目ぇこすって”うん”って。

素直に”待ってた”って言うたらええのに、この子は。

可愛すぎてうっかり口角が上がったわ。

｢はよ寝とき。

明日早いんやから｣

隣に寝転ぶと直ぐに抱きついてくる。

そのまま即寝落ち。

｢なんやねん。

可愛すぎやろ｣

ソッコーで寝落ちしたAの髪を指で弄びながらこれからの事を考える。

またアイツが出てきたら何かありそうで怖い。

Aが傷つけられるようなことになったらと思うとそれはもう恐怖でしかない。

その事も事務所の人と話し合えたらええけど……。

考えながら目を閉じる。

平和ボケしてた頭が一気に緊張に塗り替えられて……なんか落ち着かんくて。

Aが居なくなるような怖さまでやってくる。

別れるとかそういう怖さやなくて

僕の知らん所で攻撃されて傷つけられて

一生会えへんくなる、そんな怖さ。

今腕の中にAがいるだけに、失う事をしたくもない想像の中で何度も経験する。

あかんわ。

｢……怖い｣

耐えきれへん恐怖が口から零れた。

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